わが国における救急業務は法制化から50年を迎えますが、その間に救急隊員の処置範囲の拡大、救急救命士制度の導入、メディカルコントロール体制の構築及び傷病者の搬送・受入に関する実施基準の策定など、様々な高度化を遂げています。
近年、救急需要は大幅に増加し、平成24年には救急出動件数、救急搬送人員ともに過去最多を記録しています。また、今後も高齢化などの要因により救急需要は益々増加することが予測されています。
一方、救命率の向上や後遺症の軽減など、病院前救護に対する期待は大きく、我々が果たす役割は益々重要となっています。
そのため、少年期からの応急手当の教育、重症傷病者への救急救命処置の拡大、社会全体で共有する緊急度判定(トリアージ)の検証、救急現場への医師の投入など、様々な角度から新たな病院前救護の取り組みが始まりました。
このように病院前救護体制は、社会全体で変化を遂げようとしており、まさに飛躍のステージを迎えたと言えます。
我々病院前救護の担い手は、このような環境の変化に即応し、救命の最前線である救急現場で尊い命を救う者として、今一度一人ひとりが果たすべき責任と役割を見つめ直し、次へのステップに新たな決意を持って挑みます。
そして、この大いなる決意を、市制50周年を迎え、また、全国で初めてである二度目のシンポジウム開催都市「北九州市」から、全国の病院前救護に携わる皆様へ発信していきます。