開催地からのご挨拶

平成22年度「第19回全国救急隊員シンポジウム」を開催するにあたり


松山市消防局 西原局長
松山市消防局長
西原 忠悦

平成23年2月3日(木)・4日(金)の2日間、「松山市民会館」、「松山市総合コミュニティセンター」において、(財)救急振興財団との共催により「第19回全国救急隊員シンポジウム」を開催するにあたり、一言ご挨拶申し上げます。


本市は、「いで湯と城と文学のまち」を掲げております。この「いで湯」は、日本最古の歴史を誇る「道後温泉」、また「城」は、現存する12天守の1つで、日本で最後の完全な城郭建築、21棟の建造物群が重要文化財に指定されている「松山城」、また「文学」は、正岡子規をはじめとする多くの文人を輩出するとともに、夏目漱石の小説「坊っちゃん」ゆかりのまちでございます。

現在は、司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」を軸とする、まち全体を「屋根のない博物館」と見立てた回遊性の高い物語りのあるまちづくりに取組んでおります。

また、昨秋から3年にわたるNHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」の放送が始まりました。是非、松山の風景などもあわせて、映像でご覧いただければ幸いに存じます。


さて、本市では、このシンポジウムを重要事業の一つとして位置づけ、昨年度から準備を進めてまいりました。


ご存知のとおり、わが国における救急業務は、国民の救命率向上のため、救急の高度化を目指し、平成3年救急救命士制度が発足して以来、救急現場における救命処置の範囲は、除細動、気管挿管、薬剤投与が認められ、現在更なる拡大が検討されています。

また、傷病者の搬送及び受入れ医療機関の選定が社会問題化し、この解決のため平成21年に消防法が改正され、消防機関と医療機関の連携強化が打ち出されたところであります。

このように社会の要請に応えて救命率の向上を目指した制度が着々と整備される中、救急業務に携わる我々は、現状の救急活動に満足することなく救急のプロフェッショナルとして自己研鑽に努め、一層の救急業務の高度化を図っていく必要があります。

このような状況を背景に、また、この目的実現のために、本シンポジウムでは、メインテーマに「“未来の救急現場に新たな決意を”~愛ある救急、愛媛から~」を掲げ、更なる救命率の向上に向けて、全国の救急業務に携わる者すべてに呼びかけ、未来の救急現場を築き上げるための「救急業務の高度化」に向けた総括を全国に向けて発信したいと企画いたしました。


開催にあたり、(財)救急振興財団をはじめ、多くの皆様のご協力を賜りますようお願い申し上げます。

また、四国で始めての開催となることから、「四国八十八ヶ所を巡る遍路」のおもてなしの心で、お迎えを致したいと思います。美しい自然や豊かな農水産物も豊富でございますので、是非とも多くの皆様方のご参加を、心からお待ち申し上げます。

松山市消防局長
西原 忠悦